さぁ、オレと恋をしてみようか

だって、ただ会いに来ただけなのに、こんなことになるなんて思ってなかったんだもん…。


「杏仁豆腐、買ってくんだろ?」
「あ、はい」


お会計をして、千織さんの手から袋を受け取る。


「飲んでるとこって、すぐそこの居酒屋?」
「はい、そうですけど」
「うん、わかった。じゃあ、行くよ」
「え?あの、行くってどこに…」


千織さんが、レジカウンターから出てくる。


まさか、居酒屋まで送ってくれるってこと?


でも、そうなるとココに誰もいなくなるんじゃ…。


「もう夜も遅いんだ、なにかあったら困るだろ」
「いや、でも、すぐそこですし…」
「すぐそこかもしれないけど、じゃあ、ここ出てすぐに変な奴が来たらどうする?逃げれんの?」
「そ、それは……」


〝ゼッタイ逃げれます!〟とは、言い切れない。運動音痴だし…。


「でも、お店無人になっちゃいますし……」
「芽衣子。オレはちょっとでも、芽衣子の傍にいたいと思ってるんだけどな。芽衣子は、そうは思ってくれないの?」
「えっ……傍、に…?」