愛ニ狂ッタ人









「彼って…王子のこと?」

「そうですよ。
アナタが上履きをペンキで真っ赤に染めた、彼デスヨ」

「…わたしが?
どうしてわたしが、王子へそんなことをしなくちゃいけないの?」





そんなこと、だって。

私はクククッと笑いを漏らした。






「そんなことって、言っちゃいますか。
自分がしたのに、そんなことって、自分を否定するんデスネ」

「そりゃそうでしょう。
わたしがしたことじゃないのだから」

「…証拠、あるのに?」





私は自分のケイタイを取り出した。

何度も言うけど、私の家は裕福ではないから。

スマートフォンなんて高価な物に、変更するお金なんてない。

…まぁ、私のケイタイ事情なんて置いておいて。





ケイタイを開け、データフォルダを開く。

1枚の写真を画面へ表示させ、彼女へ見せた。






「これでも、違うって言えマスカ?」






彼女の顔が、絶望と驚きに染まった。