愛ニ狂ッタ人








チャイムを鳴らすと、彼女は疑いもなく出てきた。

そして私を見て、怪訝な顔をしていた。

そりゃ、そうかな。

初対面だものね、私たち。






「…どちら様ですか」





私は答えず、中へ入って、鍵を閉めた。

彼女は抵抗していたけど、そんなの無駄。

愛の力には、何も勝てないのよ?






「何よ!
不法侵入で訴えるわよ!?」

「…犯罪者が、警察に訴えるんデスカ?」

「は、犯罪者?」

「私、知っているんですヨ?
あなたが、妹の復讐に、彼の上履きを真っ赤に染めたこと」





彼の、と言い名前を言わなかったけど。

明らかに、滝田先輩は動揺し始めた。

簡単な子で、助かるわね。






「私、彼を傷つけたアナタが許せないんです。
だけど、話し合えば、きっとわかることもあると思うの。
…殺されたくないでしょ?私に」





少し脅してみると、彼女はご丁寧にスリッパを用意してくれた。

これから殺されるとも知らずに。

アナタを殺す、殺人者(わたし)に丁寧すぎるワヨ?