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数日後。
彼の上履きを真っ赤に染めた“罪人”はすぐに見つかった。
やっぱり、予想通りだった。
滝田愛佳(たきた・まなか)。
1学年上の先輩で、この間事故死した園田愛恵の姉に当たる存在だ。
名字が違うのは、ご両親が離婚したからだそうだ。
だけど、姉妹は仲が良くて、廊下などで楽しげに話している姿を、私は何度も目撃していた。
学年ではトップクラスの成績を誇る、園田愛恵同様真面目な優等生。
そんなに美人ではないけど、しっかり者で、クラス委員長を務めているからか、誰からも信頼され、友達も多い人気者だ。
生徒会長候補とか先生にも期待されている。
滝田先輩―――本当は先輩なんて言いたくないけど、一応1学年上だから―――は、両親の離婚の際、エリートコースを歩む父親に引き取られたそうだが。
その父親が、厄介な人で。
“自分がエリートだから、娘もエリート”にしたいようだ。
それが原因で、真っ直ぐに育てたい母親と衝突が絶えず、離婚。
引き取られた滝田先輩は、厳格な父親の手により、何事にも良い成績を修めなければ許さないとされてきた。
だから滝田先輩は、誰からも信頼される、成績優秀な優等生へとなったのだ。
父親の望む、エリートな娘へ育った滝田先輩。
そんなエリート人生決定の学生生活に、ある日変化が訪れた。


