まぁ、お父様とお母様の家庭事情は置いておくとして。




あたしの読みは正しかった。

あたしは思い切り、お父様とお母様から愛情を注いでもらった。

こんなにもらっても良いのってほど。




それに、例え養子だとしても、私があの名家中の名家・若王子家の娘だって知った途端、周りの私を見る目が変わった。



話の長い校長も、

口うるさい理事長も、

生徒に関心のない教師たちも、

今まで私を馬鹿にしてきたクラスメイトも。



全員私を、“親から愛してもらえない可哀想な女”ではなく、“若王子家の令嬢”って扱いをしてくれる。

親の力で周りからの扱いが変わる小説や漫画を何度も読んだことはあったけど。

それは嘘だっていつも思っていた。

だけど、それが本当だと知った。




子ども自身の力なんて二の次。

両親の社会的地位が、子どもの立ち位置を変える場合だってあるの。

腐った世の中だと思うけど、それが紛れもない現実。




今まで、可哀想な視線を送られてきたあたし。

だけど、そんな視線を受けることはもうない。




両親から止まない虐待を受けることもない。

空腹感に耐え続けることもない。




あたしは愛されているの。

必要とされているの。





そんなシンデレラのようなあたしには、

素敵な彼氏が必要だわ……。