愛ニ狂ッタ人








久しぶりに地面を踏んで歩いていると。

懐かしい道へ、やってきていた。





車の多い、大通り。

今は昼間だから、未成年が歩いても大丈夫。




ここを通ったのは、入学して間もない時だ。

私が、滝田愛佳を殺した日に、通った場所だ。

あの時は丑三つ時だったから、補導されないか心配だったんだよね。




確か、この先の曲がり角に、彼が立っていて―――。









「雪愛」





そう、

こんな風に……。








「―――ッ!」




私は声にならない叫びを上げ、

久しぶりに、彼の胸へと飛び込んだ。