愛ニ狂ッタ人









「アイツ、王子には、俺から言っておくから」




必死に頼み込む稲生の台詞に、私は疑問を感じた。





「アンタ、彼とメアドを知る仲だったの?」

「そうだよ。
てか、男子の中で、アイツのメアドを知らない奴はいねーよ。
アイツはしっかりしているから、色々質問とかも出来たしよ」





確かに彼は、私と付き合う前は、誰にでも優しい人だったから。

メアドを教えてくれと頼まれたら、教えていたのだろう。

今は周りの人物を全て敵と認識する、私だけに優しい理想の彼氏だけど。





「王子から良いって聞いたら、ユキちゃん俺とデートしてくれるな?」




彼の右耳だけにつく黒いリング状のピアスが、光に当たって光った。





「…彼から返信が来たら、教えて。
その答えによって、考えるわ」

「よしっ!」






チャイムが鳴ったたため、隣のクラスの稲生は、スキップをしながら帰っていく。






そういえば、返信来るのかしら?

彼は忙しいみたいで、朝メールを送れば、夜返信が帰ってくる感じになっている。

返信が来るのか、私は疑問でしかなかった。