愛ニ狂ッタ人











☆☆







僕の家は、異常だった。

周りから見れば。





だけど、人間とは不思議なもので。





例えそんな異常空間にいても、そこに長年住んでしまえば、日常へ変化するのだから。

だから僕は、外の世界を知るまで、ソレが異常なのだと気が付けなかった。

僕にとって、皆が思う異常は、日常だったのだから。








僕の家は、先祖代々続く、名家。

その名を世界へ轟かせている巨大財閥の裏に、僕の家があると言っても過言ではないぐらい。

だから幼い頃から、家にメイドはいたし、どこへ行くにも送り迎えが必要だった。

僕はいずれ、この家を継ぐのだから。

そんな僕が事故や誘拐にでも遭遇したら、大変だから。





僕は、この家の大事な存在であり、

同時に、操り人形でもあった。





僕の意思なんて、存在しなかった。

僕の道を決めるのは、両親だった。