愛ニ狂ッタ人











ガチャンッ!






一際大きな金属音で、僕は我に返った。

今の音は、大きかった。

下手したら、雪愛が起きてしまうほど。

僕はノックを無視し、部屋の中へ飛び込んだ。






「お父様っ!」

「…………ッ!?」






突然僕が大声を出したからだろう。

鳴りやまなかった金属音が、止んだ。

僕は何故か、長距離走でもしたかのように、息が荒れていた。






「…静かに、してもらえませんか。
お母様は、もうすぐで帰って来ますから」

「……せ」





いきなりお父様が、僕の肩を強い力で掴んだ。

突然のことに僕は驚き、反応するのが遅くなった。

気が付いた時には、もう遅かった。





僕は壁に、頭からぶつかった。

鈍い痛みに、思わず力が抜け、床へと座りこんだ。