愛ニ狂ッタ人








僕は、雪愛の家庭事情を知った。

…否、元々知っていた。

だけど、雪愛の口から聞くのは初めてだった。





雪愛が実のご両親にも、義理のご両親にも愛してもらえないのなら。

僕がその分、愛を注げば良い。

僕が、僕だけが、雪愛にたっぷり、愛を与えれば良い。





僕も、雪愛に愛してほしい。

その分僕も、雪愛を愛したいから。





だけど、僕は雪愛に、何も言ったことがない。

家庭事情も、僕の雪愛に会うまで抱えていた“孤独”も。





常に周りに人がいた僕だけど。

それは“うわべ”だけの関係でしかなかった。

人はいたけど、僕は“孤独”だったんだ。





雪愛に出会って、初めて僕は知ったんだ。

人を愛する大切さも。

人に愛される喜びも。

罪を犯しても、愛してくれる存在がいることを。





それなのに。

僕は何も、雪愛に伝えられていない。

雪愛は、僕に全てを話してくれたと言うのに。