「だが、その姫様はとても美しく麗しい姫で、姫を手に入れようとする人間によって鬼と人間の争いが起きた。その中で姫様は命を落としたんじゃ」

「死んじゃったの・・・?」

「そうさ。鬼もその時に封じられたと言われている。そのあとすぐじゃ、その地に災いが次々に起こり始めたのは。それを姫の祟りだと騒いだ者によりこの神社は作られたんだよ」




まるで、本当にあったかのように話すおばあちゃん。
私は、「へー」と軽く答えながらおばあちゃんと一緒に家に向かった。


鬼に恋をして命を落としたお姫様。



その鬼は、どんな気持ちだったんだろう。
鬼もお姫様の事を好きだったのかな?

お姫様が死んで、自分が封印される・・・。



その時って、どんな思いだったんだろう。






「・・・なに考えてんだろ」




信じてないはずなのに。
バカみたい。




そもそも、そんな言い伝えなんて・・・。
いい迷惑だわ。
そのせいで私・・・。