飛び散る赤に、目を見開いた。 鬼羅は、その赤を気にも留めずその切りつけた男もその周りにいた男たちも一瞬で蹴り飛ばし殴り飛ばした。 私、なにを・・・。 私、私の・・・。 「千代・・・!そこにいたのか、千代!」 時光が私の姿をとらえ、歓喜の声を上げた。 「千菜・・・、バカ野郎!なぜ出て来た!」 鬼羅の叫び声が聞こえる。 いや・・・、なんで・・・。 忘れたわけじゃないでしょう。 私は、私は誰も大切に想っちゃいけないの。 私が大切に想う人はみんな―――――― 不幸になるのだから。