「千菜、そろそろ終いにして帰ってきなさい」

「おばあちゃん・・・」




私を迎えに来てくれたおばあちゃん。
私は集めた落ち葉を袋に詰め口を縛った。




「ねぇ、おばあちゃん。ここに祀られているのって神様じゃなくて女の人なんだよね?」

「そうだよ。戦国時代にいたお姫様さ」




戦国時代を生きた一城のお姫様。
なんでそんな人が祀られているんだろう・・・。
ずっと疑問だった。




「歴史にも残っておらぬ小さな国のお姫様だったんだ。その頃、そこには鬼が生きておった。その姫様は、一人の鬼と恋に落ちたんじゃ」

「鬼・・・?」




鬼なんて、そんなのいるわけないじゃん。
でも、言い伝えられてることなんてたいていそんなもんか・・・。
私は全く信じてなかった。
鬼がいたことなんて。
そんな鬼に、恋をしたお姫様がいたなんて。