やっぱり、鬼羅は私を千代さんを重ねて・・・。
似た着物を着せて、千代さんを感じたかったの?



なんでこんなに苦しいんだろう。
鬼羅の事なんて、なんとも思っていないはずなのに。



心の中が忙しない。
なんでこんなにモヤモヤするの。




「千菜ちゃん・・・?」

「あ・・・ごめん・・・」




心配そうな琉鬼くんに、ぎこちなく笑って見せると私は、琉鬼くんの横を通り抜け小屋の中に入った。
そこには、鬼羅の姿があって腰に差してあった刀の手入れをしていた。




「鬼羅・・・」





力なくそう呼ぶけど、鬼羅はピクリともしなくて。
私の声なんて届いていないよう。

私だからいけないの?
私だから、聞いてくれないの?




「ねぇ、鬼羅!」

「黙れ!」