「それでも、怖くないの?」
「なに、怖がらせたいの?」
「そういうわけじゃ・・・。俺たちの事、化け物とか思わないのかなって・・・」
琉鬼に尋ねられ、考えてみる。
化け物・・・。
そう言われても、なんだかピンとこない。
「化け物って、もっとこう・・・得体のしれないものって感じじゃないの?琉鬼くんたちは鬼なんでしょ?得体知れなくないじゃん」
「・・・でも」
「さっきから、私の事怖がらせたいみたいだけどさ。鬼だからって怖がったりはしないわよ。そりゃあ、初めて人間以外の人に会ったからびっくりはするけど」
それは仕方ないことだよね。
戸惑うし、驚く。
「同じように目が二つあって、鼻と口が一つずつ。それから耳だって同じ位置にあるんだし。うん。別に怖い要素なんてこれっぽっちもないでしょ?そりゃ、襲われでもするなら別だけど」
「・・・ちぃちゃん・・・」
「え?」
私の言葉に、いよいよ涙ぐむ琉鬼くんに戸惑う。
いったい、なんなの?


