私は早速手を伸ばすと、琉鬼くんの角に触れる。
「わ、わあ!感動!」
「ははっ。そう?」
私が感動していると琉鬼くんはおかしそうに笑った。
でも、どこか寂しそうに。
時々感じるこの違和感はなんなんだろう。
ぎこちないっていうか、なにか寂しげな雰囲気。
「千菜ちゃんは、俺たちが怖くないの?」
「え?怖い?・・・そりゃ、怖いよ!鬼羅はさ、最初からずっと怒ってばっかだし。今だってなんか睨んでくるしさ」
笑った顔なんて見てないし。
最初私の事抱きしめたけど、あれは人違いしてたからみたいだし。
人間になんの恨みがあるのか知らないけど、とんだ迷惑だわ。
「怒るから、怖いの?」
「え?そうだよ?怒る理由くらい教えてくれたっていいのに」
「俺たち、鬼だって言ったよね?」
「うん。聞いたけど。角も触ったし。だから、信じないわけにはいかないわよね」
目に見えるものは信じないと。
自分が今置かれている状況自体が異常すぎて、なんでもこい状態でもあるのかも。


