「鬼羅。・・・ねぇ、千菜ちゃんだっけ?君、どこの子?帰る場所は?」




琉鬼が優しく声をかけてくれる。
それだけでホッとする。
帰る場所・・・。



「ないんです・・・」

「え?」

「帰る場所なんて・・・私には・・・」





帰る場所なんて、ない。
帰る方法だってわからない。




「だったら、俺たちの小屋においでよ」

「な、なにを言い出すんだ!貴様、人間が何をしたかわかってるのか!」

「わかってるよ!でも、それは千菜ちゃんには関係ないだろ!」




琉鬼と鬼羅が言い合いを始める。
話が分からない。




「ちぃちゃんに、教えてもらったから・・・。心の優しい俺たちを化け物扱いしない人間だっているってこと・・・」




琉鬼が涙ぐむ。