「そうか・・・。俺は、千代を護ってやれなかった」




鬼羅がポツリと呟く。
それは、とても悲しそうで。


どうして、彼女の事を話すときだけ彼はあんな・・・。





「そこにいるのは誰だ!」




突然、白羽の矢が刺さりビクッと体を震わせた。
まずい、気づかれた?
でも、どうして・・・。
私、身動き一つとってない。




「胸糞悪い人間の臭いだ・・・。いるのはわかっている」




臭いって・・・。
私そんな臭い!?


ショックを受けている場合ではない。
私は、諦めてゆっくり姿を現した。





「・・・貴様」

「べ、別に・・・、つけてきたわけじゃ・・・」




ほら、もうその恐ろしい目に変わる。