覚えてなんていらないよ。
私は、ずっと側で名前を呼んでいたい。
好きだと何度だって言いたい。



記憶の中に残されるのなんて嫌。



「千菜・・・愛してる」

「っ、言わないで」

「好きだ」

「言わないでっ」




離れない。
絶対に。



放さないよ。
絶対に。




「お前だけを、愛してる」






鬼羅の手が私から離れてく。
すがるように伸ばした手。


光がそれを遮るんだ。




ああ。



ああ――――――!