「でも、じゃあ、千菜ちゃんが戻る方法もわからないんだね」

「え・・・、あ・・・」



琉鬼くんの言葉を聞いてハッとする。
戻る方法。
そうか、私。




「考えてなかった」

「ん?」

「戻ることなんて、考えてなかった。私、ここで鬼羅と、琉鬼くんたちと生きてくつもりになってたから」




おばあちゃんの事は心配。
恵だって。
でも、好きな人ができた。
この場所に、大切な人ができたんだ。




「そっか」




琉鬼くんが嬉しそうに笑う。




「千菜は、それでいいのか?」

「え?うん。私は、鬼羅と一緒にいたい」




迷わない。
そう決めた。
この世界で生きていく覚悟もできてる。