「鬼羅、私の名前を呼んで」 ギュッとくしを握りしめる。 まっすぐ鬼羅を見る。 「千菜」 「もっと」 「・・・千菜」 「もっと」 たりない。 私の名を。 私だけの名を。 ああ、いつの間にこんなによくばりになってしまったんだろう。 「いくらでも呼んでやる。だから、ここにいろ」 抱きしめられた身体。 耳元で、私の名前がささやかれる。 ぞくっと震わせた背中。 鬼羅の腕が優しく抱いた。