鬼羅とやってきたのは、あの河原。
少しだけ、苦い思い出になってるこの場所。



「どうしてここに来たの?」

「・・・泣いていないお前を、ここで見たかった」




サラリと言い放つ鬼羅。
それって、この場所をいい思い出に変えようとしてくれてるってこと?


なにそれ、すごく嬉しいんですけど!




「なんか、鬼羅って・・・キザね」

「きざ?なんだそれは」

「秘密」





なんとなく秘密にしたくてそう言うと、鬼羅が不機嫌そうに睨みつけた。
私はケラケラと笑うと鬼羅の隣にすり寄った。






「これを、受け取ってくれるか」

「え?」




それは、綺麗なくし。
赤色をベースに小さな花が描かれている。
可愛い。