呪いは私の感覚的にはあっさりと説くことができた。
見ていても、男が何をしているのかはさっぱりだったし。


私の胸元からは、鈴形の痣はすっかりなくなっていた。



「本当に呪いだったんだ・・・」




今の今まで、半信半疑だった。
信じたくない気持ちもあったし、呪いなんて不確かなものがあるなんて今まで思っていなかったから。



でも、もう。
私は、人を傷付けることに必要以上に怯えなくてもいいんだ。



そう思ったら、一筋涙が流れた。




座ったまま呆然としていた私のもとに、鬼羅が近づく。
私の横に座った鬼羅が、私の頭をわしゃわしゃと撫でた。
そしてそのまま自分の胸へと引き寄せた。



幸せな温もりを頬に感じる。
私はそっと目を閉じた。




「終わったぞ」

「うん」




幸せに、浸りながら。