「・・・な、千菜!」
私はパッと瞳を開けた。
なに・・・?
目の前に、鬼羅の切羽詰まったような顔がある。
「え、な、なに・・・」
「どうした。うなされていたぞ?」
「え・・・?あ・・・。なんだろう・・・」
私はひどくうなされていたらしい。
頬に触れると涙の跡があった。
そういえば・・・と思う。
私のこの気持ちは誰のものなのだろうと不安になった。
その想いが、悪夢でも見せていたんだろうか・・・。
「千菜。やはり、お前は千代の生まれ変わりなんだろう」
「え・・・、あ、そう、だね・・・」
「だとするならば、その胸元の痣は、呪術師にかけられた呪いなのかもしれない」
「あ・・・」
生まれた時からある鈴形の痣。
ただの痣だとずっと思っていたけど。
これは、呪いだったの?