中をそっと覗いてみれば、何かが横たわっているのが見えた。
なんだか、白い髪のようなものでぐるぐる巻きにされた、なにか。
「あれって・・・」
あの形、まるで・・・。
「そこにいるのは誰だ!!!」
突如響き渡る怒号に肩を震わせる。
人がいた!
よかった、人に会えた!
私は声のする方をすがる思いで振り返った。
「え・・・」
その視線の先に見たのは、いつの時代の人なのかと問いたくなるような着物を着て刀を構えた男の人。
「この森に近づくなというお触れが見えんかったか!」
戸惑う私をよそに、男は怒鳴りつけながら近づいてくる。