「……じゃあ、こっちから攻めるしかないだろ」


 焦れた口ぶりで打開策を提案したのは悠真クンだった。
 睨むような鋭い視線で遥香を見つめる。


「おまえ、実は当てがあるだろ。身近にトラブルを暴発させるヤツがいるのに、こんな危ない人形、保険もかけずに放置しとくはずがない」

 悪意と嫌味、棘が満載の毒舌。
 というか、さすがは腐った縁。幼なじみの行動を把握しているような発言。

 まぁ、その後は当然というかセクター長の叱責が入りますが。

「悠真。それはハルちゃんに失礼だろうッ」

「――――構いませんよ、拓真さん」

 怒声を遮った遥香が妖艶に笑った。


「保険ではないですけど、この場を凌ぐ方法はあります。さっき、真矢と玲奈の推理で思いつきました」

 堂々とした態度で、いけしゃあしゃあと言ってのける。

 正直な話、私は悠真クンと同意見。
 あの雛人形を手にした時点で、何かしらの対策は用意してたと思う。


 浮かんできた疑惑を否定できない女。それが桜沢 遥香だ。

 打開策を発案してくれたのはありがたいが、それだけで終わらせてくれない。

 案の定、遥香は爆弾を投下した。