「今年は…一緒に見られるな。」

「朧月夜?」

「うん。これからは毎年さ…春になったら、一緒に見ような。」

「ずっとね。」



泣きながら大切な恋をあきらめたあの日から、12年もの時を経て、再び偶然が二人を引き合わせた。

何度も重ねた偶然が、今度こそ運命になった。

偶然を重ねたから運命になるわけではなくて、運命は自らの手で引き寄せて掴む物なのかも知れない。


二人の手で、幸せな未来ために。