Hazy moon night

夜明け前、ハヤテは泣き疲れて眠ったメグミの髪を愛しそうに撫で、そっと頬に口付けて、小さく“愛してる”と呟いた。

起こさないようにメグミをそっと寝かせ、メグミからもらった腕時計を外し、テーブルの上に置いて、ハヤテはメグミの部屋を後にした。



初めて恋をして、つらい別れを経験した。

再び会えた時には“もう二度と離さない”と思いながら握ったはずのメグミの手を、自分の夢のために自ら離してしまった。

心の中で、何度も“ごめん”と“愛してる”の言葉をくりかえしながら、ハヤテはメグミの涙で濡れたシャツの胸元をギュッと握りしめ、涙でぼやけた夜明け前の街を歩いた。

(結局、さよならも言えなかったな…。)