Hazy moon night

翌日、合唱部で伴奏をする最後の日。

何かしら理由をつけて、もう行かないでおこうかとも思ったが、引き受けた以上いい加減に終わらせるわけにはいかないと、ハヤテは重い足取りで音楽室に向かった。

本当は、昨日の事がまだ生々しくて、この場所にはいたくない。

それでもハヤテは、大人として引き受けた仕事はキチンとやり遂げようと、何事もなかったような顔をして、できるだけいつも通りの“澤口さん”を装った。

すっかり慣れた合唱部での伴奏も今日で終わると言う少し寂しい気持ちと、一刻も早くこの場所を離れたいと言う気持ちが、ハヤテの中で複雑に交じり合う。

(ここに来るのも、今日で終わりだ…。)