Hazy moon night

ハヤテは拳を握りしめ、唇をかみしめて、ひたすら歩いた。

突然打ち砕かれた恋の欠片が、ハヤテの心に無数に突き刺さる。

(木曜日にいつも音楽室で先に待ってたのも、先生と会ってたからなんだ…。ずっと騙されてたんだな…。やっぱりこんなオレには、恋なんて似合わない…。)


帰り道の途中の公園で、ハヤテは鞄の中から譜面を取り出した。

もう2度と、メグミのためにあの曲を弾く事はない。

浮わついた気持ちでピアノに向かうのは、もうやめよう。

1枚足りないその譜面を、ハヤテはぐしゃぐしゃに丸めて、ゴミ箱に投げ捨てた。