「足つくところで足を使わないってビックリだわ…。ほんとにカナヅチね。と言うか水嫌いなの?」

昔溺れたとか、そんな記憶なんて一切ないし聞いたこともない。

水が嫌いって訳でもない。

「いや…なんでだろ…。」

別に泳げなくたって良いじゃないか。

溺れそうになって死にそうになってももうそのときは悟るって決めてるし…。

「まあ、とりあえずばた足から練習したほうが良さそうね…。」

小学生の水泳の時間が始まった。

「もっと脚伸ばす!」

「手と脚がばたついてる!!」

あたし…プールに何しに来たんだろう…。