結局、吉野さんでしっくりきているのでそのままになった。

「時間は沢山あるしゆっくりドライブって感じにしますか。」

あたしたちはそのまま車でドライブになった。

方向的には私の地元に行く感じだ。

「美結ちゃんって何学部なの?」

「文学部です。」

文学部ですと答えてあの先輩の嫌味を思い出してしまった。

「そうか。僕と同じだね。何を学んだか全く覚えてないけど。」

確かになんで文学部に行ったんだろう…

本が好きで、将来は編集者になりたいとか思って、文学部。

「そうなんですか。じゃあなんで文学部に行ったんですか?」

「んー…何となく?大学の後輩に言われたことあったな…『文学部って何するんですか?』って。」

結構言われる人多いんだな…

あたしはあの先輩の話をした。

「あー。よくある。でも、その先輩は何か引っ掛かるね…ってか、なんでそんな部活に?」

「科学が好きだからです。例えば化学。化け学の方なんですが、炎色反応あるじゃないですか。あれを知ってると花火ってより楽しくなりますよ。リチウムは赤、ナトリウムは黄色とか。リアカー無きK村馬力借りようとするもくれない。なんて覚えかたしました。」

「なんで理系にいかなかったの?」

心なしかちょっと吉野さんとの心の距離が離れた気がした。

引かれたかな。

まあ、科学サークル入るとこうなるよね。

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炎色反応の覚えかた
Li 赤 Na 黄 K 紫 Ba 黄緑 Ca 橙 Sr 紅 Cu 青緑