ぽつりと呟いた俺の言葉を、トモヤは聞き逃していなかった。
「確かに…遺書に何が書いてあるか気になるな…」
「遺書を頼んで見せてもらうか…、そうすればハルトの自殺の真相が分かると思…「それは無理よ」
俺とトモヤの言葉に割って入ったのは、後藤チサ。
後藤は頭が切れる、クラスのリーダー的存在だ。彼女の発言はクラスに大きな影響を与える。
「当然のことだけど、中林の件は、例え自殺でも警察が動いている。遺書はすでに警察が押収しているわよ。それが親族に戻ってくるのは、当分先の話よ」
遺書が戻って来なければ、ハルトの自殺の真相には辿りつけない。
どうすれば…「バカね」
そしてまた、後藤が口を挟んだ。
「中林くんの遺書の内容が知りたいんでしょう?遺書そのものはなくても、内容だけなら、彼の母親は知ってるんじゃないかしら?」
後藤は得意気にニヤリと笑った。
