「……はぁ。わかったよ」
仕方なく、と言った感じ俺は松永と目を合わせる。
「ありがとう!柊大好き!」
松永が俺におもいっきり抱きついてきたと同時にクラスメイトが帰ってくる。
「うぉ!なにしてんだお前ら!」
「きゃー!茜ついにやったんだぁ」
目を見開いて驚く男子と、ニヤニヤしながら俺を見る女子。
やっぱり付き合うとか面倒くせぇな。
_____結局、松永の希望で帰りは一緒に帰ることになったのだが
話す話題はなくお互い無口なままだった。
いつもと同じ通学路がとても長く感じる。
こんなんで俺は松永のことを好きになる日が来るのだろうか。
「夕焼け綺麗だね」
沈黙を破り俺の顔を覗き込んでくる茜。
必死に話題を考えた結果だろう。
「……あぁ」
そんな茜にそっけなく返す俺。
茜が傷つく前に俺のことを嫌いになってくれればいいのにな。
……なんてこの時は考えていた。
