「………なんか悪りぃ」
俺らの間に気まずい沈黙が流れる。
どうにかして抜け出したい…
「し、柊は私のことそうゆう目で見たことないの?」
上目遣いで俺の目を見る松永。
可愛いとは思うが、やはり恋愛対象としてみたことは一度もない。
「ない…な。友達としては好きだぜ?」
できるだけ傷つけないように言葉を選ぶ。
「それでもいい!好きじゃなくていいから…私と付き合って!」
「はっ!?」
俺の体がビクッと揺れたのが自分でもわかった。
松永の奴本気なのか?
好きでもないのに付き合う…?
「付き合っているうちに好きにさせる!
……少しでいいの、駄目?」
きっと、ここで引くのは松永のプライドが許さなかったのだろうか。
いつにもなく必死なその姿になかなか断る事が出来ない。
「…好きにならなかったら?」
松永が諦めることを願いながら、俺も負けじと言葉を返す。
「そしたら諦めるから!お願い!」
今までに見たことないほどのか弱い声で涙を流す松永。
____断れるわけがなかった。
