Crocus ~花と私と生徒会~




____受験についてのつまらない説明が終わった五時間目。

こんなんだったら普通の授業の方がマシだ…


「柊っ!いよいよだなっ!」


友達がすごく嬉しそうに俺の席に駆け寄ってくる。

「あぁ、お前嬉しそうだな」

あまりのはしゃぎっぷりに、思わず俺も笑みがこぼれる。



「ったりめーだろ!絶対茜と隣の席になりてぇー」


松永ねぇ……こいつも好きなのか。




「はいはい、なれるといいな」

「てめぇは本当に男子中学生かよ!ほんっと夢のねぇ奴だな!」


まるで俺が可哀想な奴のような目で見てくる。

……なんかムカつくな。



「まぁ、確かに可愛いけどさ」

そんなことを呟いて遠くの席にいる松永を目で追う。



____っ!

不意に振り返った松永と目が合う。


その瞬間あいつは優しく目を細めて俺に手を振ってきた。



ふ、振り返すべきか?

めんどくさいが片手を上げてみる。



「この柊めっ!何見せつけてんだよ!」



俺は周りの友達に冷やかしをスルーし、何気ない顔で机に突っ伏した。