「おはよ、柊くん」
朝、登校してすぐ、誰かに声をかけられた。
誰だ?
振り向くとそこには同じクラスの女子、松永茜が立っていた。
「おう、おはよ」
松永は、人気者だ。
クラスの女子たちを仕切ってるのもこいつのグループだし、男子でも好きってやつは結構いるようだ。
「席替え、楽しみだねー」
笑顔で話す松永。
なんだ、急に。俺、こいつとそんな仲良くねーのにな…
別に話さないわけではないが、よく話す間柄でもない。
なんで、話しかけてきたのか不思議だった。
その理由を探すため、特に意味もないが松永をまじまじと見つめていた。
……こいつ、まつ毛なげーな。
「ふふっ、なに、私に見とれてんの?」
にやりと笑いながら言う松永に対して、
「はあ?ちげーし、誰がお前なんかに」
俺も笑いながら答えた。
