女は頼ってくるもの、なんて、どういうことなんだろう…
「そんなこと、ないと思いますよ」
少なくとも私は。
守ってもらえるなんて思ってないです。
「誰かに頼れるほど器用じゃない子だってたくさんいると思います」
「器用とか、そういうことじゃ…いや、確かにそうなのかもな」
「…?それってどういう…?」
静かな風が窓から入ってくる。
「だったら、俺は不器用な女の方がよっぽどいい」
そうして柊さんは、少し悲しそうな顔で
「その方がまだ信用できる」
と付け加えた。
「あの、もし、良ければなんですけど、柊さんのお話…聞かせてほしいなって」
これは流石に行き過ぎた質問だったかもしれない。
でも、気づいたら口走っていた。
柊さんは、ちょっと間を置いてから口を開いた。