Crocus ~花と私と生徒会~



「やめとけって」

________っ!?

私に刃が当たることはなかった。


「柊さん…っ?」

ゆきちゃんの振り上げた手を力強く掴む柊さんが、そこにいた。


「なっ、なんでここに柊先輩が!?」

さっきまで自信満々だった3人の顔が一気に青ざめていくのがわかる。


「柊先輩!これは違うの!私は2人の言いなりになってただけでっ…」


真沙美ちゃんがとっさに2人に罪をなすりつけ始めた。

「私、止めようと思ったのに、怖くて…」

…うわぁ


「なに言ってんの?真沙美!うちらはあんたの指示の通りに動いてただけじゃん!」

仲間割れをしだす3人。


「………これだから女は」

柊さんは嫌悪感を剥き出しにして、ため息をついた。

固く握る手をパッと離す。

すると、ゆきちゃんは崩れ落ちた。


「あの…これは…」

此の期に及んで、まだ言い訳をしようとしているらしい。


「てめーの話なんて聞く気ねーよ」

ゆきちゃんの言い訳を遮り、柊さんは3人を睨みつける。

「失せろ」


その威圧感に耐えきれなかったのか、3人はものすごい速さで教室から出て行った。