「か、カッシー先生?これでいいですか?」
年上の人をあだ名で呼ぶなんて変な感じがした。
それでも、なんだか満足そうに見えるかしむ…カッシー先生を見ていると別にいいかという気になった。
「で!カッシー先生!質問2つもしたのにどっちも答えてもらってません!!」
「あー、忘れてた。ごめんごめん」
吸っていたタバコの火を消し、2本目に手をつける。
「のばらの名字は、辻。辻のばら。俺の大学の同期だよ」
これで満足?と色っぽい声で聞いてくる。
大学の同期ってことはお兄ちゃんものばら先生のこと知っているのかな?
そんな私の心を読んだかのように
「あ、あと花梨ちゃんのお兄ちゃんも仲良くしてたよ」
と付け加える。
意外なところで縁があるものだ。
全員性格が全然違うと思うけど…
そんな3人が一緒にいるところを想像するとなんだか少し面白くて、
クスリと笑ってしまった。
「楓の妹ちゃんに、まさか、こんなとこで会うとは思ってなかったなあ」
先生はふふっと静かに笑って、煙をふかした。
大人の余裕が見える。
「花梨ちゃん、もしも、これから辛いことがあったら、その時は遠慮なく頼れ」
その台詞がさっきののばら先生にリンクする。
「一人で抱え込まないでさ、大人に任せちゃってもいいんだぜ」
そう言われても…なかなかできないことなのだ。
人に頼るというのは。
「俺たちは、いつだって味方だ」
そう言ってポンポンと私の頭に手を乗せる。
そこで丁度、授業終了のチャイムが鳴った。
