いやいや、でもこれは樫村先生から誘ってきたわけだし、
私は悪くないよね!?
なんて責任転嫁をしながら先生のあとをついていく。
「息抜きって、どこ行くんですか?」
「裏庭だよー」
そういえば、前に屋上に行ったときに女子が樫村先生を見ていたことを思い出す。
お気に入りの場所なのかな?
樫村先生の大きな背中を見て、なんだか安心感を覚える。
この状況を見られたら、私としても先生としても結構ピンチだけどね。
とりあえず黙ってその背中を追いかけることにした。
「ちょっとこれ持ってて」
裏庭についていきなり渡されたのはタバコの箱だった。
「あれ?おっかしーな、ライターどこやったっけ」
そんなことを呟きながらスーツのポケットに手を突っ込む樫村先生。
「ま、まさか、校内で、しかも生徒の前でタバコ吸う気ですか…?」
普通に考えて校内って喫煙禁止じゃ…
これじゃまるで不良だ!
なぜこの人が教師になれたのか不思議でしょうがない。
困惑の表情を見せている間に樫村先生はライターを見つけたらしく、
私の手からサッとタバコを抜き取って口に咥え火をつけた。
