保健室を出たところで、今が授業中であることを思いだす。
途中から教室入るのやだなぁ.....
サボってしまおうか、なんて考えが頭をよぎる。
_______なんて、そんなのだめだよ!ちゃんと授業は出なくちゃ!!
教室に戻る為に階段を上る。
すると、樫村先生に会った。
「あれ、授業中になんでこんなところいるの?」
やたらとニヤニヤしながら、まるで弱みでも握ったかのような口調で話しかけてくる。
「サボりはいけないよぉ?花梨ちゃん?」
「ちょ、ちょっと保健室に行ってて....サボリじゃないです!」
別に嘘をついているわけではない。というか、本当のことしか言っていない。
「ふーん、保健室.....ねえ」
次の瞬間、教師とは思えない台詞が目の前の男の口から飛び出た。
「そーだ、花梨ちゃん。授業出なくていいからさ、ちょっと俺の息抜きに付き合ってよ」
は?
え、ちょっと待って下さいよ先生。
それって要するに、サボれということですよね。
さっき、サボりはいけないとか言ってたくせに!!
「な、なにいってるんですか!?」
驚く私に樫村先生はへらへらと笑う。
「まあまあ、今更授業なんて嫌でしょ?」
教師がこんなことでいいのだろうか。
なんていう人だ。
「別に、一回くらい良いでしょ。大丈夫。のばらに言って保健室で寝てたって事にしとくから」
「そんな.....」
頭では駄目だと分かっていながら、否定の言葉が出なかった。
私は、この時間だけ、次の授業は出るという約束でサボ.....息抜きをする事にした。
私、悪い子になっちゃった?
