私の長い髪の毛から雫が滴り落ちる。
あぁ、本当にかけられちゃった。
当の本人達は授業の予鈴がなり慌てて帰っていった。
この服どうしよう......
「体操着は持ってきてないしなぁ」
一人で呟きながらトイレを出る。
授業の始まったこの時間には廊下に人はいなくて
微かに教室から先生達の声が聞こえる。
足音でバレないように階段を静かに下り向かったのは保健室だった。
そう言えばこの学校に来てから始め来る場所だな...
「失礼しまーす」
...........ん?!
ここ、保健室だよね?間違えてないよね?
何で目の前の先生飴舐めてるの?
しかも棒つきだよ!
「はーい......花梨ちゃん?」
「そうですけど...会った事ありましたか?」
名前、保健室の先生に教えた事ないんだけどなぁ。
「ないですよー、でも桔梗からよく聞いてます」
丸いメガネをクイッと上げながら笑う。
「樫村先生...?」
「そうですよー」
仲いいのかな?意外だな...
先生は食べ終わった飴の棒をゴミ箱に捨てて席を立つ。
白衣の上から見えた名札には"のばら"と書いてあった。
