__________どうして今日も同じだなんて思ったんだろう。
下駄箱に行くと、いつもの画鋲やらゴミはなかった。
「もしかして....終わった?」
少し期待しながら教室に向かう。
何だか階段を上る足が軽い気がした。
いつも通り静かに教室に入る。
「あれ.....」
「花梨!良かったね!」
机を指差しながらいつもより小声で話しかけてくる。
女子の視線はいつも異常に怖かったけど
今日は机にイタズラは何もされていなかった。
.......本当に終わったのかな?
..........もう解放されるのかな?
「よか.....った」
身体の力が抜けてその場に座り込む。
遠くから詩音君が心配そうに駆け寄ってこようとしているのが見えて
私はあわてて首を振った。
「花梨、これで安心だね!」
席に着くとカンナは後ろを振り返って微笑む。
「....うん!」
久しぶりの平和に、私の心は少し癒された。
..........そう、昼の時間までは。