「‥‥‥‥うん、わかった」
少し悩んだあとそう答えた。
「本当は何か力になりたいけど、ここで花梨ちゃんを庇ったりしたら火に油を注ぐだけだよね.....」
悲しそうな顔をしながら詩音君は頭を下げる。
「ごめんなさい」
本当に心のこもった謝罪とはこういうものなのか、というくらいの綺麗なお辞儀だった。
こっちの方が、謝らなければいけないのに。
私がカンナといじめっ子集団の忠告を聞かずに勝手な行動ばかりしたから.......
こうして詩音君に心配をかけてしまった。
「今、僕に出来るのは花梨ちゃんの願いを聞く事だけだと思うから、絶対誰にも言わないよ」
私を安心させるかのような口調でそう言った彼は、バイバイと呟いて倉庫から出て行った。
そうして昼休みは終わり、また授業が始まる。
どうやら、詩音君と話していたところは見られていなかったようでその日にいじめがヒートアップする事は無かった。
安心なのかなんなのか分からないまま今日も学校が終わった。
生徒会室には行きたくない。
でも、こうなったらもう行っても行かなくても一緒のような気がしてきた。
______もういいや!
少々投げやりになった私はあえて涼しい顔をして生徒会室に向かった。
