私は、必死でごまかしてきたつもりだったが、
同じクラスでバレない訳が無い。
いじめの理由だって、いつかは生徒会の耳にも入るとは思っていた。
望んではいなかったけど。
「まず、言っておくけどさ」
詩音君はもったいぶる事無く話し始める。
「僕はまだこの事を会長とか、ていうか生徒会のみんなに伝えてないから」
少し安心した。彼はとことん私の思いを分かってくれているらしい。
そんなに分かりやすいかな、私?
「あ、ありがとう。なんかごめんね」
なんだか申し訳なくなる。
「いやいや、僕たちが原因になっちゃった訳だし、謝るのはこっちだよ!
あの三人組、ちょっとめんどくさいからねー」
はあ、と呆れたように溜め息をつく彼。
「で、話したい事っていうのはさ、今後どうすればいいかって.....」
「絶対に誰にも言わないで!!」
私の言葉は詩音君が話し終わる前に出ていた。
______私の願いは、誰にも迷惑をかけない事。
なるべく大事にはしたくない。
会長さんには絶対に知られたくないのだ。
「お願いだから、今起こってるいじめは何も見なかったことにして!
自分でなんとかするから!!」
