Crocus ~花と私と生徒会~



家を出てから、憂鬱でしかない。

本当はこのまま何処か遠くへと行ってしまいたかった。


でも、そんな訳にはいかず.......



「今日はどうなってるんだろう...」

不安しかない学校へと向かう。






「おはよう、花梨」

下駄箱でカンナに会った。
手には画鋲ケースが握られていた。

「.....花梨が来る前に回収したかったんだけどね」

私はどうやら早く来過ぎてしまったようだ。

カンナの優しさに触れ、涙が出てきた。


「教室、行きたくないなぁ」

私は呟く。

「そうだね」

カンナは私に合わせたトーンで返してくれた。


教室につくと、また机は見るに耐えないものになっていた。


もうやだ........



生徒会に入っただけでこの仕打ち。
改めてこの学校の異常さに気付かされる。




「ねえ、花梨ちゃん。どうしてこんなことになってるの?」


ふと聞こえた言葉。


心に響く高い声。


気付かれたくなかったけど、
そりゃ気付くよねぇ......


声の主は、詩音君だった。