___来てほしくない朝はあっという間に訪れるもので…


憂鬱な気分のまま校門をくぐる。



「おい、花梨」


びくっと体がこわばる。
この声はカンナ、じゃない。


名前の呼ばれた方に顔を向けると…


会長さんだぁぁぁ…!


今は話しかけないでいただきたい。
昨日のこともあって話したくもない。


というか…
空気を読んでくださいっ!
周りの目が怖いのです!



「な、なんですか?だ、誰ですか?」


咄嗟に誰かわからないふりをしてしまった。
うううう、怖いよぉぉぉ!


「は?何を言っている?お前、たったの1日で俺を忘れたとでも?」

「あっ、ああ思い出しました!会長さんでしたかー、うっかりー、あははー」


「…?どうした?」


怪訝な顔をする会長さん。
お願いだから、はやくどっかに行って欲しい。
見られてる、みんなが私のこと見てるよ!


「お前、昨日呼び止めてるのに帰っただろう。俺の許可なしで帰るとは何様のつもりだ?」


会長さんは御構いなしに続ける。


もう、やめてえええ!!