階段をのぼり、一つの扉の前に着く。


入りたくなーい!帰りたーい!

ここにきて今更そんなこと思っちゃったよ…


「うぅ……嫌だなぁ…」


「そんなに…?」


不意に声がして後ろを振り向くと、眠そうな目をこする蓮先輩がいた。


「あっ!蓮先輩こんにちは」

「ん……」


小さな声で返事をして、なんの躊躇もせず扉を開けた。


あぁ!心の準備が!


そんな事を思いつつ蓮先輩の後ろについて生徒会室に入る。



「蓮ちゃーん……と花梨ちゃん!!
やっほーー会いたかったー!」


詩音君が入ってそうそう抱きついてくる。

その前に蓮先輩は華麗に避けて柊さんのいるソファに座っていた。


……さ、流石!慣れていらっしゃる!


その後、蓮先輩の向かい側のに座ると横に詩音君が座る。


なんか子犬に懐かれてる気分だな…


「花梨ちゃん、今日なんか疲れてるねー
なんかあったの?」


詩音君は私の顔を覗き込んできた。


「いいい、嫌?何もないよ?
私飲み物入れるね!」



もう!私のバカ!
動揺してるのバレバレじゃん!


なんでこうも嘘が下手なのよ!