Crocus ~花と私と生徒会~



体育館裏に呼び出されるなんて、そんな漫画みたいなこと本当にあるとは思わなかった。

その上、呼び出されるのが自分だなんて…


「あんたさぁ、転入してきていきなり男漁りとか、まじありえないんですけど」

まじありえないくらいのつけまつげをつけた女たちが私を囲む。

「お前みたいなビッチ、誰も相手にしないから!」

彼女らはキャハハハと耳障りな笑い声を上げる。


なにこの状況…

たった2日間でこんなに人から嫌われることなんてあるのか。



「や、やだなぁ男漁りなんて…私そんなことしてないですよ、あはは」


事実を述べているだけなのに、なぜこんなに緊張するのだろうか?


あーあ、今の状況に比べれば昨日は平和だったなぁ


ていうか私、ここで何されんのかな?


体育館裏でまさか殴りあいの喧嘩はしないだろうし、
じゃあ、一体なんのために呼び出されたの?



「まあ、忠告しといてやる」


女たちが一歩私に近づいてきた。


「お前、生徒会に関わんな。あとカッシーにも」
「言うこと聞かねーなら今後どうなるかわかるよね?」


また高らかに笑い声を上げ、私に脅迫してきた集団は体育館裏から離れていった。